2006年09月15日
特定社会保険労務士は
特定社労士研究会 
(「特定社労士試験合格予想問題集」、「特定社労士実務セミナー(講義DVD)」ついては、左ブログメニューの下、「最近の記事」からご覧ください。)

第1回特定社会保険労務士試験(紛争解決手続代理業務試験)


厚生労働省の発表によりますと以下のとおりです。

 今年6月17日(土)に全国12都道府県で実施された第1回試験の結果

(1)受験者数 3,117人
(2)合格者数 2,368人
(3)合 格 率 75.97%

〔合格基準〕
   100点満点中、60点以上、かつ、第2問は10点以上とする。

〔 配 点 〕
        ‖茖洩笋蓮■沓暗世箸垢襦
          ◆‖茖果笋蓮■械暗世箸垢襦


〔出題の趣旨及び配点〕

1 第1問について

 (1)小問(1)
  〈出題の趣旨〉一般的な整理解雇の基準(いわゆる4要素)の理解について問うもの
  〈 配 点 〉 20点

 (2)小問(2)
  〈出題の趣旨〉 当事者間の権利関係を踏まえて特定社会保険労務士として都道府県労働局長にあっせんを申請する場合の「求めるあっせんの内容」として単なるあっせんを求める事項ではなく訴状の「請求の趣旨」のように権利関係に立った記載を求めるものであり、本件の権利関係の基本的理解を問うもの
〈 配 点 〉 10点


(3)小問(3)
〈出題の趣旨〉 「支店に限って特約して雇用し転勤のない地元雇用社員」のケースについて、「支店の閉鎖により当然解雇となる」との使用者の主張に対する反論を求めるもので、整理解雇の具体的事案についての理解を問うもの
〈 配 点 〉 20点

(4)小問(4)
〈出題の趣旨〉 本設例について、特定社会保険労務士として会社の立場で紛争の解決を図るとした場合、実際上どのような方向に向けて具体的に努力することが考えられるか、その留意事項と解決策についての理解を問うもの
〈 配 点 〉 10点

(5)小問(5)
〈出題の趣旨〉 会社から振り込まれた2ヵ月分相当の退職金について、そのまま受領してよいのか、解雇の承認の問題についての理解を問うもの
〈 配 点 〉 10点

2 第2問について
  小問(1)及び(2)
  〈出題の趣旨〉 社会保険労務士法第22条は特定社会保険労務士が業務を行いえない事件を定めているが、本問は、主に同条第2項の理解の程度を問う倫理の問題である。
 ここでは、同項が定められた理由、「協議を受けて賛助する」ことの意義、そして、同項については、受任している依頼者の同意があっても、代理業務ができないと定められていることなどについての正確な知識と理解が求められる。
  〈 配 点 〉 小問(1)15点
         小問(2)15点




特定社会保険労務士は、社労士にとって2ランクアップの資格か!


 従来、弁護士を除いて、代理権はありませんでした。
社労士にしても司法書士(認定司法書士は除く)や行政書士にしても、与えられた権限は「書類作成・申請代理権」に留まるものでした。

 それが、特定社会保険労務士は、労働局、労働委員会、民間ADR機関において、陳述代理権・和解契約締結の代理権まで与えられたのです!

 特定社会保険労務士の権限
 1.労働局の紛争調整委員会でのあっせん代理
 2.均等法に関して、労働局での調停代理
 3.労働委員会でのあっせん代理
 4.民間ADR機関でのあっせん代理


 ]働相談 → △△辰擦・調停申請書の作成 → 
 あっせん期日での陳述(和解交渉)→は族魴戚鵑猟結

 特定社会保険労務士が、本人に代わって、権利救済のために発言したことを、あっせん委員は、本人の発言と同様の扱いをします。

 つまり、これが代理行為であり、和解契約の代理権まで与えられていますので、あっせんについて、最初から最後まで本人が関与することなく、一切を任せられるのです。

 権限で言えば、
「私に一切を任せてくれれば大丈夫!ご安心ください!」
と言える資格なのです。

 依頼者からすれば、こんなに頼もしい特定社会保険労務士に絶大な信頼をおくことは間違いありません。

 これからは、顧問先の代理人になるのではなく、あっせん代理人をやってから信頼されて顧問になるというパターンにコペルニクス的転回を迎えることとなるでしょう。

 「あっせんには強制力がないから、意味がない」という人がいます。一理あります。しかし、それは民事労働法務に関与したことのない机上の言ともいえます。

 裁判で、判決が下されても、控訴、上告とつづけば、やはり当初の判決は意味のないものです。
 解雇事件では、提訴から判決が下るまで1年半から2年が一般的です。高裁までいけば、さらに半年から1年、最高裁までいけば、もう原告、被告ともに精神的にも肉体的にも、経済的にもヘトヘトです。

 私は、不当解雇に関する労働訴訟で、1年半弁護士の先生のご指導のもと準備書面の作成のお手伝いをして幸い、勝訴判決同然の訴訟上の和解契約を勝ち取りましたが、依頼者にとってはたいへんな心労と出費でした。まして、相手側は敗訴同然となったわけですから、苦痛を味わったことでしょう。

 こういった事情をしっかりと紛争の相手側に伝えていけば、あっせんという短期かつ低廉に解決できる方法を無視するでしょうか?

 「どうせ、あっせんなんか」と実務を行わず、最初から制度批判をするのは、あっせんで重要な交渉能力の欠落を判決という強制力で補填しようといっているだけでしょう。

 特定社労士の行おうとする業務は、労使双方にとってメリットが大きく、社会貢献度も高いものだと確信します。

 解雇、雇止め、競業避止の問題など、労働問題でありながら、民事の問題は、労働基準監督署ではなく、労働局の管轄です。あっせんで解決しなければならない問題です。
 
 特定社労士は事案ごとに行政庁を選択できますが、一般の社労士はあるものは労基署への申告書は作成できても、労働局へのあっせん申請書の作成には関与できないというこちら都合の対応ということになり、圧倒的に依頼者ニーズに答えられないという不具合が生じます。

 これからは、特定社会保険労務士資格取得は社労士に必須の2ランクアップの資格であるといえます。

 また、あっせんの実績次第で今後の簡裁での訴訟代理権が付与されるかどうか決まるのです。

 職域の拡大のためにも積極的に関与していきたいものです。

 
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